もしあなたが死んだ時、自分の子供たちが相続で争うことを避けたいのであれば、生前贈与もひとつの選択肢かも知れません。
生前贈与とは、生きているうちに自分の財産を家族や財産をあげたい第三者に贈与(譲り渡す)することを言います。
一般的に死んでから財産を渡す「相続」と「生前贈与」は何が違うのでしょうか。
一番の違いは、あなたが生きているうちに財産を渡すか、死んでから渡す(引き継ぐ)かの違いですが、皆さんも聞かれているとは思いますが、治める税金が異なってきます。
生前贈与の税金(贈与税)
自分が死んで相続が発生すると相続税がかかりますが、それを回避するために生きているうちに何でもかんでも贈与しておこうと考えられているとしたらちょっと待ってください。
生前贈与に関しては一定のルールがありますので、以下 解説します。
暦年贈与(基礎控除額)
贈与税の基礎控除として、1人につき年間110万円までは認められています。(課税されないお金)
これは、年間110万円を超えない範囲であれば、贈与税を支払う必要はないということを意味しています。もちろん、税務署への申告も不要です。ただし、年間110万以内と言っても複数年で年間110万ずつ贈与するという約束をすると、約束した複数年のトータルでみられますから注意が必要です。(例えば、110万を5年間に渡ってあげると約束した場合、5年トータルで550万になりますが、その場合、約束した年に550万円に対して贈与税が発生します)
よって、1年(1月1日から12月31日まで)単位で110万円を超えない範囲で贈与する方が良いでしょう。
また、年間110万を超える場合は、110万円を超えた部分が贈与税の対象となります。
配偶者控除
配偶者に生前贈与をする場合、2,000万円まで配偶者控除が認められています。加えて、基礎控除110万円も合算でき、合計 2,110万円までは、非課税になります。配偶者控除は、贈与税の申告が必要です。また、下記の条件もあります。
- 夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと
- 配偶者から贈与された財産が、 居住用不動産であること又は居住用不動産を取得するための金銭であること
- 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した居住用不動産又は贈与を受けた金銭で取得した 居住用不動産に、贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること
相続時精算課税
自分の直系卑属(子供や孫)で20歳以上であれば、控除額 2,500万円まで非課税になります。2,500万を超えると20%の贈与税が発生します。
ただし、この制度は注意が必要です。2,500万という大きな数字なのでより節税できると思われますが、贈与した本人が死亡した場合、生前贈与されたこの制度分も一緒に相続税を課税するという内容になっています。
亡くなる前3年以内の贈与に関して
相続などにより財産を取得した人が、被相続人からその相続開始前3年以内に贈与を受けた財産があるときには、その人の相続税の課税価格に贈与を受けた財産(贈与のときの価額)を加算します 。
* 被相続人から生前に贈与された財産のうち相続開始前3年以内に贈与されたもので、贈与税の非課税財産に当 たらない場合には、贈与税が課されていたかどうかに関係なく加算します。
したがって、贈与税の基礎控除額(110万円)以下の贈与財産や死亡した年の贈与財産の価額も加算することになります。
なお、贈与税が課されている場合には、その人の相続税額からその贈与税額を控除します。
贈与契約書作成のすすめ
これら生前贈与に関しては、贈与契約書をお互いで作成しておくと後々のトラブルの予防になります。また、税務調査時においても贈与契約書があれば贈与を行った証明にもなります。